実はアレルギー持ちの美容師です

美容師という仕事は、毎日いろいろな薬剤やシャンプー、スタイリング剤に触れるお仕事です。
美容師歴が長くなってくると、手荒れや肌トラブルの話はよく聞きますが、
私の場合はある日突然、ジアミンアレルギーを発症しました。

最初は「今日はちょっとかゆいな」「少しピリッとするな」くらいの軽い違和感でした。
ところが回数を重ねるうちに、かゆみが強くなったり、赤みが出たりと、明らかにおかしいサインが出るようになってきたんです。

それまでは自分の髪も普通にカラーしていましたし、仕事中も特に気にせず素手で触っていた（あの時は無知でしたね）ので
アレルギーになって正直ショックでした。

まぁ肌は元々弱かったし、子供の頃から1部動物のアレルギーがあったので
可能性は高かったんですけどね

今では自分の髪に通常のヘアカラーをすることはできませんので
ブリーチのみで髪の色を変えてます（白髪対策です）

このアレルギー体質を営業中もいくつかの工夫をしながら仕事をしています。

ジアミンアレルギーで変わった「カラーとの付き合い方」

ジアミンアレルギーとは、ヘアカラー剤に含まれる「パラフェニレンジアミン（ジアミン）」などの成分に体が反応してしまう状態です。
一度アレルギーになると、基本的には元には戻らないと言われているタイプの反応なので、これから一生付き合っていく必要があります。

私の場合、現在は次のような対策をしながらカラー施術をしています。

• 必ずゴム手袋をして施術を行う
• カラー剤を混ぜるときは、できるだけ息を止めて薬剤を吸い込まないようにする
• 肌に直接つかないよう、塗布の仕方にいつも以上に気を配る
• 長時間同じ薬剤に触れ続けないよう、作業のペース配分を工夫する

おそらく美容師生活が長く、その中で少しずつ体に負担が蓄積されてきた結果
あるタイミングで一気にアレルギーとして表に出てきたのだと思います。

「少しくらいなら大丈夫」「今日はちょっとしみるだけ」と無理をしてしまうと
気づかないうちにアレルギーのスイッチを押してしまうこともあります。

今思えば、もっと早く自分の体のサインを大事にしてあげればよかったなと感じています。

刺激とアレルギーは違う、というお話

カラーをすると、誰でも多少の「刺激」や「違和感」を感じることがあります。
一方で、アレルギー反応は、かゆみ・腫れ・発疹・水ぶくれなど、より強い症状として現れることが多いです。

「前回より明らかに反応が強い」「カラー後もしばらくかゆみが続く」「耳や首まで赤くなってしまう」など、普段と違うサインが出たときは要注意です。

ハナヘナ＆インディゴアレルギーのリアル

もう一つ、仕事の中で困っているのがハナヘナやインディゴなど一部の植物に対するアレルギーです。

アラックではヘナを使ったメニューも多く、ゲスト様の髪と頭皮にやさしいメニューとしておすすめしていますが
私自身はヘナやインディゴの粉を吸い込むと反応が出やすい体質です。

そのため、ヘナやインディゴを扱うときはこんな工夫をしています。

• 粉を混ぜるときは息を止めて、できるだけ吸い込まないようにする
• インディゴを扱うときは、反応が強く出るためゴーグルをして作業をする
• ヘナやインディゴを混ぜる作業は妻にお願いすることもある
• 換気をしっかり行い、空気がこもらないようにする

正直に言うと、体質的にはなかなかハードです。
それでも、ヘナは多くのゲスト様にとってとても心強いメニューなので、できる範囲で工夫をしながら続けています。

「植物だから安心」だけではない

ヘアカラーでかぶれてしまった方が「ヘナなら安全ですか？」と聞いてくださることがあります。
たしかに一般的なアルカリカラーと比べると、ヘナは成分的にシンプルで、頭皮への負担が少ない場合も多いです。

ただ、植物も立派なアレルゲンの一つです。

スギ花粉に代表されるように、「自然なもの＝絶対安全」というわけではありません。
ですから、アレルギー体質の方がヘナやインディゴを試すときも
パッチテストをしたうえで慎重に進めることが大切だと考えています。

パッチテストの大切さと、実際の反応例

アレルギーが心配な方には、いきなり本番のカラーをするのではなく、まずはパッチテストをおすすめしています。

写真のように、時間が経つと赤み・かゆみ・ぶつぶつが出てくることがあります。
こういった反応が出た場合は、残念ながらその薬剤は使用できません。

「少し赤いけど、せっかくだからやっちゃおうかな…」と思ってしまう気持ちも分かりますが
ここで無理をすると、本格的なアレルギーを引き起こすきっかけになることもあります。

カラーやヘナなどに不安がある方は、パッチテストについてのブログも書いていますので、ぜひ一度読んでみてくださいね。

こんな方は、ぜひ事前に教えてください

• 以前、ヘアカラー後にかゆみ・腫れ・湿疹が出たことがある
• カラーをすると毎回頭皮がしみる・ヒリヒリする
• 花粉症やアトピー、食物アレルギーなどを持っている
• 普段から化粧品や金属などでかぶれやすい

事前に教えていただければ、薬剤の選び方や施術の進め方を変えることができます。
場合によっては、あえてカラーをしないという選択肢をご提案することもあります。

ちなみにカウンセリングでも
タイシの方で確認をしておりますので
言えなかったら、どうしようって心配は不要ですよ

日常生活でも気をつけているアレルギーたち

仕事に関係するアレルギーだけでなく
私にはそばアレルギーや、モルモット・ハムスターなどの一部の動物（ネズミ系）に対するアレルギーもあります。

動物系のアレルギーは、動物園のふれあいコーナーなどでネズミ系の動物に近づくと
目や鼻がムズムズしたり、調子が悪くなることがあるので、できるだけ近づかないようにしています。

また、一部の化粧品にも反応することがあるので
新しいものを使う前には成分をチェックしたり、少量から試すなど、日常の中でもできる範囲の対策をしています。

「ちょっと敏感かも？」くらいでも大丈夫

アレルギーは、人によって反応の仕方も、強さも、出るタイミングもバラバラです。
「前は平気だったのに、急にダメになった」ということも、実際にあります。

ですから、「これってアレルギーなのかよく分からないんだけど…」という段階でも、遠慮なく相談してもらえたらうれしいです。

アレルギーで困っているからこそ、寄り添えること

ここまで読むと「大変そうだな…」と思われたかもしれませんが、アレルギーになったことで得たものもあります。

• アレルギーで悩んでいる方の不安や怖さが、身をもってわかること
• 薬剤選びや施術方法に、以前よりずっと慎重になれたこと
• ノンジアミンカラーやヘナなど、選択肢を増やして提案できるようになったこと

「カラーしたいけど、かぶれたらどうしよう…」「前に違和感があったけど、もう一回試しても大丈夫かな？」
そんな不安を抱えながらご来店される方も少なくありません。

私自身がアレルギー持ちだからこそ、無理に「大丈夫ですよ」とは言いません。
一緒に相談しながら、ノンジアミンカラー・ヘナ・パッチテスト・施術しないという選択肢も含めて考えていきます。

アレルギーが不安な方へメッセージ

アレルギーは、「気のせいかな？」と思っているうちに、少しずつ悪化してしまうこともあります。
逆に、早めに気づいて対策を始めれば、できる範囲でおしゃれを楽しみながら、うまく付き合っていくことも可能です。

もし今、

• カラーの後に毎回かゆみやヒリヒリが出る
• 前よりも頭皮が敏感になってきた気がする
• アレルギー体質で、何となくカラーが怖い

こんな不安がある方は、一度ご相談ください。

必要であれば、パッチテストのご案内や、ノンジアミンカラー・ヘナなどのメニューのご提案もさせていただきますし
場合によっては皮膚科・アレルギー科など専門医の受診をおすすめすることもあります。

アレルギーがあるからといって、おしゃれを完全にあきらめる必要はありません。
ただ、その分だけ「慎重に選ぶ」ことと「無理をしない」ことが大切だと、自分自身の経験から強く感じています。

アレルギーと上手に付き合いながら、できる範囲でヘアスタイルを楽しんでいきましょうね。

ご相談だけでも大歓迎ですので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。